チェロは楽器自体が大きいので、また、エンドピンという楽器を支える物、道具を用いて楽器をささえるので、チェロ、楽器、の構え方も様々です。

ここでは楽器の構え方に関して考察してみようと思います。

以前、初めてチェロをやる方たちを教えた時に経験したのですが、 大人になってチェロを始める方で多いのが、エンドピンの長さを気になさる方でした。

一言でいえば、正しいピンの長さは、その人の体に合った長さとしか言いようがありません。

ピンの長さは身長の何分の一とか、スキー板のような目安は存在していません。

ピンの長さは仲間を見ていても人それぞれです。

ですが、初めてチェロという楽器を構える人に、「ピンの長さは自分の体に合った長さです。自分で見つけてください」なんて正直に教えたら、あの先生の説明はさっぱり解らん!!と最悪ネットに悪口書かれるでしょう。

そこでまぁ、目安というか、何となく構えがサマになるようにアドヴァイスをするわけなんですが。。。

楽器が体に当たる位置については、大体この辺という説明はするし、出来るのですが、ピンの長さの説明は、初心者の方も気になさるだけに説明に困ります。

実際初心者の方に言われたのですが、「自分はエンドピンの長さが決まらないから音程が取れない」

言いたい事は解らないでもないですが、これは、まぁ客観的に考えて、初心者故に考えてしまう誤った考えと言っていいかもしれません。

ピンの長さは人それぞれで、オケのリハーサルとかで見ていても、無造作にシャッとピンを出して、長さは日替わりで弾く人もいますし、私なんかは割と長さを気にして何となくですが指で図って出しています。

本当に人それぞれなんです。

エンドピンが長かろうが短かろうが楽器の押さえる位置、音程をとる位置は変わらないわけで、その音が鳴るところに指がいけば、その音が鳴りますし、もし出した音が低かったら、瞬時に微調整しなければいけない訳で、エンドピンの長さを音程の理由にするのは・・・バカげた話でしかありません。

例えるなら・・・新しい長い鉛筆だろうが、使い古し短くなった鉛筆だろうが、太かろうが細かろうが、鉛筆の持ち方自体は変わらないようなものです。(あまり説得力のある例えじゃないけど、他に思いつきませんでした)

ピンの長さが固定ではない一つの例を書こうと思います。

時折、ホールやリハーサル会場の床がピカピカのフローリングとかで、エンドピンを床に直接刺してはいけないと言われる事があります。

オケの時は事務局の方、裏方さんがどうにでも対応できるよう用具を準備しているので不安はないのですが、問題は一人とかで行くときなんです。

一応、私はケースに簡単なピン刺しを入れっ放しにしています。

ですが不思議なことにこのピン刺し、私のケースの中に入れっ放しにしていると、足が生えてくるようで、気がつくと無くなっている事がよくあります。

で、応急処置的にゲットしたピン刺し(同僚から借りたブラックホールという良く滑るピン刺しとか、かまぼこの板とか)を使用して弾くと、ずるずるスベッて行く事があるんです。

床に直接刺して弾いたら音も良くなるし、滑らないし、と思っても、あきらかにこいつピン直接刺して床に穴あけないだろうな!と疑惑の眼差しで見ている人なんかがいたりします。

そんな時どうするかというと、苦肉の策なのですが、ピンを短くし、楽器を立て気味に構えて滑りを防ぎます。

ピンが伸びて、斜めに刺されば刺さるほど、滑る確率は高くなるわけですから、その逆にする訳です。

正直、この楽器直立作戦は、私にとっては最終手段ですが、周りは皆、割と器用にピンが短くてもきちんと弾いていて、「この床チョームカツク~!!」とか言って音をハズシテいるのは私位なもんです。

多少、習うより慣れろというか、楽器に慣れて、楽器の事を体が覚えてしまえば、ピンの長さはそんなに気にならないのかもしれません。

ピンの長さを気にして弾いている私が書いても説得力がない気もしますが。。。

蛇足ながら。通常ピアノ椅子と呼ばれ、チェリストから愛用される高低調整がきく背もたれ付きのピアノ椅子、ヨーロッパにはありません。

ヨーロッパ人の大きなお尻は、あのスペースには収まりません。

あちらのピアノ椅子は革張りの大きな物だけです。

ですから、あちらのチェリストは椅子に文句を言わず、皆さん備え付けの高低調整できない椅子で弾いてます。

時折見かけるのが、とてつもなくノッポで、クッションを椅子の上に載せて弾いてる人くらいですかね。